クラシックバレエクラスの内容 – レッスン編その2|カナダナショナルバレエスクール・サマープログラム
- 2019.08.08
- バレエ
- カナダナショナルバレエスクール・サマープログラム

どうもこんにちは、奴(やっこ)です。
僕は今夏、07/02/2019 ~ 07/26/2019 の約4週間に開催された、カナダナショナルバレエスクールのサマープログラムに交換留学生として後半の2週間に出席しました。
オーディションも兼ねているこちらのサマーコース、参加を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですので、今回は自分の経験を踏まえ、現地での様子を項目ごとに分けて詳しくお伝えしようと思います。
参考にしていただけると嬉しいです。
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File3.クラシックバレエクラス
朝 11:00 – 12:45 の1時間45分間のクラスです。
シニアのクラスは BOT Stage と呼ばれる舞台で行われます(他の生徒たちは基本的に、5D studio や 6D studio などのスタジオでレッスンを受けます)。舞台で踊ることに慣れるためのいい経験になりました。
シニア女性のクラスは男性より先に、8:45 – 10:30 の時間帯に BOT Stage で行われていました。
舞台のダウンステージに置いてあるバーを、自分たちでレッスンの前に舞台上に並べます。
シニアのクラスは、男女ともに、一人の男性の先生が受け持っていました。レッスン内容はとてもキツイですが、優しい穏やかな性格の方でした。先生が現れたら、点呼を取り、レッスンがいよいよ始まります。
クラスは、ロシアンメソッドでした。
――以前ロシアンメソッドの先生のクラスを長期的に受ける経験があったので、それとすぐに分かりました。
何よりもまず、一つ一つのバーのエクササイズが長いです。普段受けているクラスのものの2倍ほどの長さです。体感時間は3倍です。右左を一度に行います。
そしてバーの後半、フォンデュ、フラッペ、デヴェロッペ、になると、執拗なまでのルルべ、バランスが課されます。朦朧とした意識の中でつま先と膝を必死に伸ばしていた記憶だけが残っています。レッスン後にはふくらはぎのマッサージが必至です。
また、レッスンのエクササイズは、各週ごとに一つのものが定められます。月曜日に教えられたエクササイズをほとんど変えずに、組み合わせたりなどして、1週間、毎日のレッスンを進めていきます。
そのため、週初めの月曜日はエクササイズとエクササイズの間に振り付けする時間があり、比較的ゆとりのあるレッスンだったのですが、全てを覚えた木曜日、金曜日ともなると息つく暇もないのです。
センターでのアレグロは、前に進む正規のものを終えた後、必ずリバースを行います。振り付けを聞きながら、頭の中で素早く構築することが必要ですね。
とはいえ、センターのエクササイズは、バーでのエクササイズをそのまま行う様なシンプルな振り付けなので、それほど構えなくても大丈夫です。
ちなみに、担当だった先生は、ピルエットの前に上体を捻ることを嫌っていました。癖のついている方は、逐一の回転の際に留意してみましょう。
それでは、下にいくつかの具体的なエクササイズの内容をまとめたいと思います。僕が特徴的だと感じたものを抜粋して書きます。詳しく知りたい方向けです。
>プリエ
プリエは、ウォームアップエクササイズと組み合わせて行われます。
1番ポジションで丁寧なアンデダンポールドブラをした後、足を前にタンジュし、前足のみを曲げて重心を前方に押し落とします。
体重の乗った前足を強く押し、タンジュの姿勢まで全身を戻します。
次いで軸足をプリエし、今度は全ての体重を前足へと移し、タンジュデリエールの形に。後ろ脚を戻し、5番ポジションになります。
アンデオールポールドブラを行い、今度はアラセゴンにタンジュ。再び出した足を曲げる形で重心を外に押し落とし、地面を押すことで元の位置に戻ってきます。タンジュアラセゴンの足を戻し、一番ポジションを作ります。
以上を、前後、右左、行います。こちらがウォームアップエクササイズとなります。
それらを終えて突入するプリエは、2番ポジションから始めます。
ダブルプリエがあり、またグランプリエの時の手は、アンデダンポールドブラを通りました。
ちなみに、2番 → 1番 → 5番の順番で行いますが、ここでは4番ポジションのプリエを行いません。ロンドジャンプの際に組み入れることが多かったです。こちらもロシアのスタイルでしょうか。
5番ポジションのプリエを終えた後は、例のごとく、5番のルルべで8カウントのバランスをします。
エクササイズを終了します。
>フォンデュ
ダブルフォンデュを当然のようにルルべと共に行います。この時、1度目のルルべで、すでにクぺを離れて、脚を広げ始めなくてはなりません。2度目のルルべで膝を伸ばしきり、全身を完成させます。
このダブルフォンデュをドゥバンとアラセゴンに行い、次は軸足を変え、バー側の足で再びドゥバンを行います。
そしてまた軸を変え、外側の足で通常のデリエールフォンデュ。その足を下ろさず、ルルべのまま前にスルーバトマンし、デミアティテュードからグランロンドジャンプします。
まだ足を下ろさず、今度は後ろに到着したばかりの足の膝を持ち上げ、パッセを通して、軸足プリエのドゥバンにまで持っていきます。
ルルべに上がりながら、ドゥバンの足をアラセゴンまでロンドジャンプ。
そこから脚を勢いよくパッセに戻し、アンデオールピルエットの要領で一回転回ります。
その後、パッセから再度軸足プリエのドゥバンに足を出したら、またルルべに上がりながらアラセゴンまでロンドジャンプを。今度はアラセゴンにキープしたまま、膝下だけでアンデオールロンドジャンプ、アンデオールロンドジャンプ、ダブルアンデオールロンドジャンプ。そして最後のロンドジャンプの終わりに軸足をプリエさせ、次の音でパッセに……。バランスをします……。
こちらを前と後ろ、右と左で行います。途中から、自分がフォンデュをしているのか、フォンデュが自分を動かしているのか分からなくなってきます。
レッスンの中で、最も辛いエクササイズでした。
>センターのアダジオ
フェテ、プロムナードがたくさん組み込まれました。
クロワゼのドゥバンにデヴェロッペした後、上げた足をその場に固定し、軸足をアンデオールしてフェテします。通るアラセゴン、2番アラベスクの形を一つずつ完成させましょう。
後ろ向きの2番アラベスクになったら、次は全身をキープしたまま、ゆっくりとプロムナードします。正面向きの2番アラベスクにまで方向転換したら、沈むように軸足をプリエし、パドブレをしてクロワゼの5番に戻ります。
再びクロワゼのドゥバンにデヴェロッペをしたら、今度は上げた足も移動させながらフェテし、ダウンステージを体の正面にして、アラセゴンの形を作ります。
次いで、フェテとプロムナードを同時に行いながら、再び正面向きの2番アラベスクになります。
パドブレをしたら、ここではクロワゼの4番ポジションに入り、曲げた前足に重心を乗せ、アンデダンの回転に備えます。
アンデダンアラベスクターンを一回転回った後、軸足をルルべからプリエに落とし、1番アラベスクを8カウントキープします。
最後、ルルべのアラベスクに上がり、少しのバランスをして、場を離れます。
右左は別に行われました。
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File4. Allegro & Repertoire(テクニッククラス)
男子の諸君のお待ちかね、テクニッククラスです。
担当の教師は、先ほどの先先とは違う初老の男性でした。男子の Upper Body のクラスも受け持っている先生です。厳めしい顔付をしていますが、時折ジョークをいう、朗らかな性格の方でした。
題名に Allegro とあるように、ウォーミングアップの細かなジャンプの後、レッスンはアレグロから始まります。毎回同じような振り付けなので、慣れてしまえば、難しくはありません。
個人的に、バロネやカブリオレが入っていたのが印象的でした。右方向のアレグロを終えたら、次は左方向をバッチュと共に行います。
このクラスでは、大方のエクササイズを2回行いますが、1度目は通常のエクササイズをして、2度目は必ずバッチュを入れて行います。
さてアレグロの次は、ブリゼとシスでスタジオ内を斜めに通過します。ここで自分は先生に、ブリゼの時の顔は下に落とさずに進行方向を見るように、との注意を受けました。また、シスの時の上体に力が入りすぎないようにすることも重要でした。
――ブリゼボレは、前に打った時と後ろに打った時、どちらもクペにするのがロシア式、前足を伸ばす方はフランス流です。このレッスンはロシアンメソッドにのっとっていたので、前者を指定されました。
次は、2番エシャペとシソンヌアティテュードを行います。ジャンプをして2番ポジションに下りた後、そのまま次のシソンヌを飛ぶという振り付けが特徴的でした。
こちらも、二週目にはバッチュを入れました。シソンヌアティテュードのバッチュが難しかったです。足先が絡まりそうになります。
シソンヌの最後には、シスを2回飛んで、シスの着地からそのままダブルトゥールを飛ぶ振り付けがありました。これは毎回のように組み込まれていました。脚のバネの力が鍛えられます。
そして次は、ダブルトゥール、パッセトゥールをしながら、ディアゴナル(斜め方向)に進んでいきます。毎回、一つ一つのダブルトゥールの着地にバリエーションを持たせるようにしていました。
ドンキのバジルのように左手を腰に右手をアンオーにしたり、1番アラベスクに着地したり――。その中でも、一回転目に右手をアンオー、左手を腰にして、2回転目には両手の位置を入れ替え、左手をアンオー、右手を腰に置いて着地する、というのがよく使われました。空中で手を取り換えることが大変でした。
最後は、グランアレグロです。
ソテからグランパドゥシャ、ドゥバンのダブルカブリオレをして、スタジオを斜めに横断します。
次はプロファイル(真横)に1番アラベスクをし、2回続けてダブルアッサンブレを行い、スタジオを横断します。
着地から直ぐに、バランセをしてから、2度のジュテマネージ(マネージには進まないけれど)をして、最後にダブルソデバスクを行い、膝の上におります。
エクササイズを終了します。
時々、最後にシャンジュマンのエクササイズがありました。
ピアノの 速い→遅い や 遅い→速い に変化するリズムに合わせて、シャンジュマンを32回ほど行いました。
今日のまとめ
・シニアのクラスは BOT Stage という舞台で行われる。(他の生徒はスタジオでレッスンを受ける)
・レッスンはロシアンメソッド。
・つまり、ルルべを沢山する。いちいちのエクササイズが長い。アレグロはリバースがある。等々……
・Allegro のクラスでは、逐次のエクササイズでバッチュを打つ。
・先生方は、優しい。
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