バレエダンサーと身長について(実際どう付き合っている?)

バレエダンサーと身長について(実際どう付き合っている?)

バレエと言うと、やはりスタイルや骨格、容姿の面で厳しいイメージが強いでしょうか。

手足が長く、頭が小さく、甲が出ていて、顔も悪くなく……。

その中でも目に見えてわかる、実際に評価されるものと言えば身長です。

特に日本人は男女ともに平均身長があまり高くなく、苦労されている方、気にかけている方が多くいるものと思います。

以前に以下の記事で「自分は現在、あまり身長に関して困っていることはない」というような内容を書いたことがありましたが、

 

とはいえ海外留学をする前には、自身の身長の低さがコンプレックスでしたし、真剣に悩んだこともありました。

ダンサーにとって身長など体型に関することは生涯付きまとう問題であります。

またそれらはほとんど生まれつきで決まっている側面が大きいので、都合よく改善されることなどはほぼありません。

ですからこそ、生まれつき背負っていかなければならない自分の体型とどのように付き合っていくかが、バレエダンサーには重要になってきます。



身長がどう関わってくるのか

求される身長]

バレエを踊るのに要求される身長は、勿論バレエ団・国によって変わってくるでしょうが、大体以下のような感じだと考えよいでしょう。☟

 

  • 男性  180㎝前後
  • 女性  165㎝前後

ちなみに日本人の20歳の平均身長は以下の通りだそうです。

日本人の成人の全国平均身長 (2018年公開の総務省のデータ)

  • 男性  171.7㎝
  • 女性  154.9㎝


アメリカ・アジアではそれほど厳しく身長について言及されることはないという印象ですが、

主にヨーロッパでは入団オーディションの際に必要な身長が大体明記されています。

例えばよく見られる基準の具体例を言えば、

現在ドイツ・バイエルン州バレエ団(ミュンヘン)は 【男性:180㎝以上 女性:165㎝以上】

で募集をかけています。

オランダ国立バレエ団ジュニア―カンパニーも同様の設定でした。

女性に関しては、あまりに身長が高すぎると、パドドゥなどで男性と組むことが難しくなるので、

上のようなMinimum hinght(最低身長)ではなく、Maximum hight(最高身長)が定められていることもあります。

それを考えると、やはり女性がヨーロッパなどでプロ活動を行う場合は、165㎝前後というのが理想的な体型と言えるでしょう。

男性の場合も身長が高すぎるとコールドとして目立ちすぎるので、例えば199㎝あった友人のフランス人は就職の際に苦労していました。

ですがそのような飛びぬけた背丈でない場合は、男性は身長が高ければ高いほど重宝されるようになっています。

体躯の大きいほど女性をリフトアップしやすいわけですし、主役を踊ったときも舞台上で迫力ある踊りを披露することができます。

やはり180㎝あたりの身長であるなら、ヨーロッパでのオーディションの際に体格の面で悔しい思いをすることはないものかと思います。

こうして男女ともに高すぎもせず、低すぎもしない中間の身長を求められるわけですが、

とはいえそうしてある基準を日本人の成人の平均身長と照らし合わせると、男女それぞれが10㎝程も低いことが分かります。

結論として我々は平均以上に身長を伸ばす必要があります。

どうしても日本人が海外のダンサーたちと比べて不利な状況は否めないですね。

そういえば、ちなみに、新国立劇場バレエ団のダンサー募集では 【男性:173㎝以上 女性:163㎝以上】となっています。

173㎝のこれまで]

今現在、自分は男19歳で、身長は173㎝です。

丁度日本人の平均的な身長ということになります。

小・中・高等学校ではいつも背の順に並ぶ際、ほぼ真ん中に位置してきましたし、そうしてこれまでも平均的な成長過程を歩んできたと言えます。

父親は175㎝で母親は162㎝なので、自然な成り行きと捉えられましょう。

中学生までは順調に伸び進んだのですが、3年生ごろから停滞気味になり、高校に入学する頃には成長はほとんど止まっていました。

生活は別段乱れたものではなく、不摂生を続けていたことはありませんでした。

伸び悩んだ原因を上げるとするなら、学校後の夜のバレエレッスンのために就寝時間が遅くなったことや、幼少の頃に小食だったことがあるでしょうか。

バレエスクール内では、自分は決して身長が低いわけではありませんでした。

スクール内の同学年の他男子2人とは抜きつ抜かれつの関係を続けていましたし、通常のレッスンを受けているだけでは、あまり身長に関して焦りなどを感じることはなかったです。

しかしコンクールに出場するようになると、様々な男子の踊りを見ることになり、やはり低い背丈の分類であることを自覚させられました。

特に中学2年生の時期にはその差は歴然でした。

その頃には各々が「これ以上変わらないだろう」という予感を持ち始めますから、ダンサーにとって一番身長に関することに直面させられる時でしょう。

とはいえ、コンクールにおいては、こういった身長の差異はそれほど評価に関係せず、主にテクニックの面が批評されるので、

(勿論美しく見えるために女性などは細いスタイルをしていなければならないですし、ある程度含まれるものとは思いますが)

何か漠然とした焦りを感じ始めてはいましたが、決定的に悔しい思いをしたことはありませんでした。

しかし、海外留学を目指すようになるとこの問題はより色濃く表れるようになりました。

というのも、海外バレエ学校のスカラーシップや入学許可はその学校の校長や教師が与えるのですが、

海外バレエ学校からやってくる彼らは当然、技術的な才覚とともに身体的な素質を見出そうとするのですから。

自分が決して恵まれた体型をしていたわけでなかったことは先に述べた通りです。

腕脚が長いわけでもないですし、つま先が柔らかく伸びるわけでもなく、全身が特別柔らかいわけもなく、筋肉も付くだけ付いて美しいとは言えませんでした。

ですから、せめて背丈だけでももう少しあればスタイルも良く見えるだろうにと、残念に思いました。

他の受賞者たちが隣で有名バレエ学校のスカラーシップを次々もらうのを眺めながら、身長の高いおかげだろうそうしてスタイルが綺麗に見えるおかげだろう、と思えてなりませんでした。

知り合いの吉報を聴くたび悔しかったことを覚えています。

だから現在所属しているオランダのバレエ学校から入学許可を頂いた時には飛び上がって喜びました。

勿論、そうして入学した後でも、様々なところで身長に関する問題は付きまとい続けます。

今もクラスの中で自分が一番低身長ですし、そうしてデモンストレーション(発表会)などの折には、高身長のスタイルの良い体型が必要とされる役割を与えてはもらえません。

加えてオーディションにおいても、様々なバレエ団が設けた基準を満たすことが出来ず、そもそも参加することができないことなど幾度もあるのです。

しかしながら最近では、自身の低い背丈に対してある程度肯定的な態度を向けられるようになりました。

というのは、周囲に高身長の生徒が多くいるので、バレエ学校においては、この低身長が一つの個性として認められるからです。

これまで散々悩まされた自分の身長を、これからは武器にしていこうと考えます。



身長に関して出来ること

供時代から]

初めの方に書いたように、やはり自分には十分な睡眠と食事が足りていなかったように思います。

具体的に挙げると、睡眠に関しては、バレエのレッスンのあった日には12:00~6:30という6時間30分の睡眠しか確保していなかった記憶がありますし、

食事に関しては、中学校に入ってからはよく食べるようになったのですが、それまでは食べることが嫌いで小食でした。

やはり身長を伸ばすためには、よく言われている通り、中学生の時期には8~10時間の睡眠をとった方がいいようですし、成長期を逃さずにバランスの良い食事で栄養素を沢山摂取することが大切なのでしょう。

しかし海外のバレエ学校のように「バレエ学校だけに所属し、その中で通常の勉学とレッスンとを行う/バレエだけを学習する」のではなく、

通常の学校を終えてからバレエスクールへ通い、レッスンを受けるという生活を続けなければならない我々に果たしてそれらが可能なのでしょうか。

次の朝には通学のために早く起きなくてはならないのですから、夜遅くに帰ってきてから8~10時間の睡眠を毎日のように確保することは難しいです。

また女性は特に細いスタイルを維持するために食事制限をしなければならないことがあるでしょう。

このような問題を解決する手立ての一つとして、『成長サプリメント』があります。

それは1日に数回服用することで子供の成長を促進してくれるもので、

日々の合間に素早く摂ることが出来るので、忙しい学生生活を送るバレエダンサーにぴったりかと思われます。

実際に自分自身が利用してもいました

カルシウムを主成分にしており、そこへ「アルギニン」や「BCAA」などといった成長を助ける役割のある栄養素が含まれています(製品によって成分は異なる)。

加えて「必須アミノ酸」「ミネラル」「コラーゲン」など、体型を気にする人が不足がちになる大事な栄養を兼ね備えているものもあるので、食事制限を行っている方にも良いのではないでしょうか。

また様々な種類があり、子供に合ったものを選ぶことができます。☟

子供が食べやすいお菓子のようなタイプ

水に混ぜて飲むタイプ

勿論効果が保証されているわけではなく、お分かりの通り、残念ながら自分などはこれといった成果を得ることが出来ませんでした。

使用し始めたのが中学生後半という遅い時期からだったことも影響しているのかなと思います。

だからもし試してみようと思いついたなら、成長期真っ盛りの小学生~中学生の間に使用することを個人的に推奨します。

中高生のための成長サプリもあるそうです

これまでバレエダンサーにとって身長というものがいかに重みを持って関わってくるのかについて紹介しました。

確実なリターンを期待できるものではないのですが、それでも素晴らしいバレエダンサーを目指すのであれば、決して高くない必要な投資のように思います。

以上のことから、子供時代から始められるダンサーの身長を伸ばすための条件を以下3つ提案します。

  • 睡眠時間を8時間前後とるようにする
  • 忙しい合間にもなるべく食事を食べ、バランスよく栄養素を摂取する
  • 足りない栄養素を『成長サプリメント』でカバーする

から]

正直に言うと、身長など体型に関することは成長の過程で本当に多くの要素が絡んで成るものなので、決定的な解決策などがあるはずはありません。

睡眠時間をたっぷりとっているのに身長の伸び悩んでいる人を知っていますし、

逆に小食であまり睡眠をとらないのに高身長の人もいるでしょう。

結局のところ我々バレエダンサーは、与えられた体で最上級の踊りを表現することを目指すより他はないわけです。

前述した通り、現在は自分はこの低身長を前向きに捉えることができるようになりました。

恵まれない体格なりに表現の方法を試行錯誤する内に、教師に認めてもらえるようになり、舞台において主要な役割を任せられることも増えるようになりました。

手足の長い同級生の真似ができない代わりに、彼らに出来ない素早いテクニックを正しく身に着けることができたなら、それはもう根本的に劣っているとは言えないのではないでしょうか。

とはいえ勿論、それはバレエダンサーとしての自身の身体的短所を長所に捉え直すという意味ではありません。

美しい肢体で難しいテクニックを披露した方が素晴らしいに決まっています。

あくまでバレエにおいての身体の醜さとは欠点であります。

これを覆すことは形式によって成り立っているクラシックバレエを崩壊させることに他なりません。

あくまで現実は不平等かつ不条理である必要があるのです。

人種の壁などが取り払われ、平等な権利が広く浸透してきている現代だからこそ、伝統的な美を残すためにこのことを自戒しなければならないと思います。

ですから、自分は身長が低く、おまけにオリーブ肌のアジア人というバレエに最適でない体の人物なのです。

それが舞台の上に踊るわけであります。

さて想像した時、それは決して美しさを表現し得ないものでしょうか?

そんなはずはないと思っています。

では何がそのような明るい予感を引き起こしているのか、

これを探求し追及することこそがバレエダンサーとしての本質的な研鑽であると言えるのではないでしょうか。

総括

全てを簡単にまとめると、

要するに男性ダンサーは180㎝前後、女性ダンサーは165㎝前後の身長があった方が有利だということ、

そのためによく寝て、よく食べ、時には『成長サプリ』なども利用すること、

最終的には、満足不満足に関わらず身体の条件を認め、踊るしかないのだということ。

全体的に脅かすような内容になってはいますが、

きちんと正しい技術(テクニックに限らないアカデミックな体の動かし方)を習得すれば、必ずどこかで必要とされることがあるはずです。

不利な身体的条件にめげることなく、素晴らしいバレエダンサーを目指しましょう。

……そういう自分も、そろそろ日本からバレエ学校へ戻り、精進しなくてはなりません。

ではまた。