バレエ留学|[寮生活]海外の生徒との生活の工夫
![バレエ留学|[寮生活]海外の生徒との生活の工夫](https://yakkoblog.com/wp-content/uploads/2019/10/1日 寮生活-890x500.jpg)
どうもこんにちは、奴(やっこ)です。
・
この記事は、これから留学を考えているダンサーの方々、またその保護者へ向けたものです。
海外に単身で渡って暮らすことには、やはり不安があるものと思います。
年間留学というと、サマースクールなどの手厚い待遇などはありませんので、自分のことは自分で解決しなければなりません。
・
今シリーズでは、海外での留学生活が3年目になる自分が、
毎日どのように暮しているか、また日々の中に起こる日常生活の問題にどのように対処しているのかについて、
思いついたそばから様々書き連ねていきたいと思います。
・
サマースクールなどでは分からない、実際の学校内での様子――料理や洗濯などの生活の工夫――寮生活の実態など……。
国や学校が異なれば、その内容もいくらか違うとは思いますが、
ここで知ったことを参考に計画を考えて、入学への「不安」を少しでも「期待」へと変えていただけたら嬉しいです。


File1. 寮生活の実態と工夫

・
今回は、寮生活についてです。
寮で暮すにあたっては、別国からきた生徒さんたちと足並み揃えて、協力して生活しなくてはなりません。
少しでも参考になればと考え、自分の実際の生活をお見せしながら、日々の内にどのような工夫を行っているかについて紹介したいと思います。
ちなみに、自分は前記事「寮制度」にて説明した【② アパートの複数人部屋】に起居しています。
・
【ベッド関連】

部屋に入ると、すぐ右手にベッドが並んでいます。
部屋での決まりごとは大抵ルームメイトと話し合って決められますが、
ベッドの位置に関しては基本的に早い者勝ちです。
重要と思う方は、なるべく早めに現地入りするようにしましょう。
□
朝の目覚まし時計をかける時間は、事前にルームメイトに話しておきましょう。
相手が何時に起きても構わない、という方がいれば、同じ時刻に鳴らして欲しいという生徒もいらしゃいます。
話し合って、大体の起床時刻を決めておきましょう。
□
写真のベッドには全てシーツと枕カバーが装着されていますが、これらは当初から用意されていました。
しかし学校によっては持参しなければならないところもあります。
ベッドシーツ・枕カバーなどが必要かどうか、きちんと確認して荷物を揃えるようにしましょう。
□
何処の寮にも、ベッドの近くにはコンセントがあります。
現地に到着し、Wi-Fiの接続などを終えて落ち着いたら、探し出して、充電できる環境を整えましょう。
上の写真の場合には、ベッドの下に延長コードが通っていたので、使いやすい位置に引っ張り出して利用しています。
また当然、海外のプラグは日本製品のプラグとは形が違うので、変換プラグが必要です。
自分は、(変形させることで)どの国の型にも対応している以下のような変換プラグをお勧めします。↓↓
というのも、オーディションなどで他国へ出向く際にも、これ一つさえあれば安心だからです。

また、下のような延長コードも便利です。↓↓
コンセントが遠い位置にあっても近くに伸ばすことが出来ますし、一度に数台の機器が充電できるようになります。

□
海外のお部屋ですので、ベッドの上以外は人は土足で歩き回ります。
とはいえ、一々靴を履いたり脱いだりするのは大変です。
そこで自分はクロックスを使っています。
部屋内の移動は勿論、ごみ捨てなどのちょっとした外出の際も履いたまま外に出ることが出来、
またスリッパよりも脱げにくいのが利点です。

・
【クローゼット関連】

ベッドの隣には大きなクローゼットが。
どの学校の寮でも、1人1個支給されるはずです。持ってきた衣類をしまい込みましょう。
バレエ学校の学生として生活していると、普段着よりも圧倒的にレッスン着でいる時間の方が多いので、
一番取りやすいところにはレッスン着・ジャージ類・その他バレエ用品を置いています。
ちなみに、どこに行ってもハンガーは初めから備え付けられていたので、持っていく必要はないと思います。
□
また空になったトランクは生活の邪魔ですので、写真のようにクローゼットの上に乗せることで解決します。
トランクの解体の際に、しまい込み切れない衣服や荷物のある場合には、
無理に全部出さず、直ぐに必要でないものをそのまま中に入れておくといいです。
ただ、必要な時にすぐさま出せないのでは困るので、中に物を収納したトランクはクローゼットの上には乗せずに、下に置いておきましょう。
ベストポジションはベッドの足元だと思っています。

□
写真には、クローゼットの隣に棚がありますが、ここはルームメイトと共有しているスペースです。
主に調理器具、調味料を置いています。
・

【キッチン回り】

キッチンです。
調理器具・電子レンジ・IH・流し・冷蔵庫・食洗器があります。
□
電子レンジは初めから据え置かれていたものです。大体のキッチンにはまずこれがあるものと思います。
しかし前の住居には置かれておらず、難儀しました。とはいえ購入するのは面倒です。
そこで学校の関係者にメールで設置をお願いしたところ、なんと承諾していただけました。
このように学校は生徒の生活にも協力してくれるので、設備の不備で困ったことがある時には、遠慮なく担当の方に相談しましょう。
但し、ヨーロッパでは返事から実行までに時間がかかるので、その点を覚悟しておく必要があります。
□
電気ケトルはルームメイトの親御さんが送ってくださったものを共有して使わせていただいています。
(それ以前は、自分は鍋に水を入れて普通に熱してお湯に変えていました。正直手間も変わらないので、不便に思ったことはなかったです。)
学校に頼んでも用意してもらえなさそうなものに関しては、自分たちで調達しなくてはなりません。
トランクに詰められる荷物には限りがありますし、日本から送ってもらうのには大変お金がかかります。
現地での購入が我々には現実的かと思われます。
また自分らの使っている電気ケトル・トースターのような、ルームメイトと共有する製品の調達については、購入などする前にきちんとルームメイトと相談しましょう。
彼らの方で既にあてがついている可能性がありますし、そうして万一にも不必要な消費が起こらないように注意しましょう。
□
流しの手前の扉には、「手拭き」をぶら下げています。料理中などに一々手を洗う際にすぐに手を拭けるようにしています。
その他にも、このキッチンには「食器を拭く/ふきん」と「汚れた机などを拭く/ぞうきん」が隠れています。
いくつもの役割の布を常設しておき、キッチン回り、食器類などを常に清潔に保つようにしましょう。
そして勿論、流しの中には食器を洗うためのスポンジと、現地で買った液体洗剤があります。
スポンジはすぐに汚れて触れたもんじゃなくなるので、いくつかストックを貯めておくといいです。
□

引き出しをかけると、写真のように鍋やフライパンなどの調理器具が入っています。もちろん、どこにでも初めから設置されている訳ではないですが。
あるにしろないにしろ、自分専用の「鍋・フライパン・その他料理に使う道具」を用意しておくといいと思います。
ルームメイト全員が料理をする場合には、調理器具が足りなくなりますし、ルームメイトが使用後の洗浄をなまけ洗い物として汚れていることもあります。
だから常に自分が使える用具を確保しておきましょう。
料理に使う道具としては、「さい箸・フライ返し・肉用ばさみ」くらいが手元にあれば十分と思います。
□

生徒がボヤ騒ぎを起こさない為に、ほとんどの寮のキッチンにはIHが配備されていると思います。
様々な種類がありますが、上の写真のように文字がなくマークだけのものもあります。
基本的に、操作は「電源を入れる⇒加熱する場所を選択する⇒+/-で温度を調整する」です。対応するマークを見つけて試してみましょう。
また上のような、電源が全てに繋がっている型のIHを共有して使う際には、
自分の調理後だからといって無意識に電源を切ってしまわないように気をつけましょう。
パスタを茹でている最中のイタリアの人に怒られます。
□

生活者の強い味方、食洗器です。(もっとも、白状すると自分は2年間、性能を信用せず全て手洗いしてましたが。食洗器のない寮の場合には、全然これでも大丈夫ということです。)
使用するために、まず規格に合った洗剤を買いましょう。(キューブ型、粉型など)
・
自分とルームメイトの汚した食器・調理器具をきれいに洗浄してくれます。
とはいえ、こびりついた汚れなどは簡単には取れないので、食洗器内に入れる前には、ブツを一度水でゆすいで汚れをあらかた手で落とす作業をしましょう。
入れる際には、なるべく洗い物同士が重ならないように置いて、洗浄水が満遍なく当たるような角度になるよう調整しましょう。
「洗い物を入れる⇒洗剤を所定の位置に入れる⇒電源を入れる⇒時間を設定する⇒洗浄の方針を選択する⇒洗浄開始」
・
食洗器を回すタイミングというのも、その部屋の皆と決める必要があります。
自分の所では、なんとなく洗い物がたまったら、という曖昧な感じで行われていますが、
食洗器を回すお勧めの時間は、学校へ行く直前です。
というのも、朝に調理を行うルーメイトがいるからです。
朝に洗い物が出ると、帰宅時にはそれが流しにたまっており、しかしすぐに食洗器を回すわけにもいかず、そんな汚い狭い状態で料理をしなくてはいけなくなるのです。
□

冷蔵庫はいつも混雑しています。酷い時には、テトリスのように組み合わせて押し込むようにしています。
どこの寮でも、与えられる冷蔵庫の範囲は狭いものだと記憶しています。
ですから、1週間分の食材を買いだめるなどせずに、面倒でしょうが、1日ごとに近日使う予定のある食材だけを買って保存しましょう。
□

キッチンの隣にはゴミ箱があります。
ここに使われるゴミ袋を買ってくる必要があります。
ゴミ箱の大きさに合う容量のものを買うべきです。ちなみに自分は60Lのものを使っています。
スーパーなどで、以下のように丸まった状態で売られています。紐がついていて口を縛れるものがお勧めです。

ゴミ捨て場は住居の近くにあるでしょう。
国によっては分別に厳しいところもあるので、きちんと家庭用ごみのところへ放り込みましょう。
ゴミは、ルームメイトらと話をして、誰かが、朝学校へ行く道中に捨てるようにしましょう。
自分らは、大体気づいた人が捨てに行くことになっています。(まあ実際、当番を決めるなどをするのは面倒ですし)
・

【机と椅子周り】

ベッドの反対側に上のような大きな机と複数の椅子があります。
複数人で暮す場合には、個別に用意するよりもこうして一組置いておく方が簡単だからでしょう。
ここで食事を取ったり、その他もろもろの作業をします。
隣に見えるソファでくつろぐこともできます。(皆大体ベッドに寝転がってますが)
□

ヨーロッパの窓は分厚くできており、部屋の熱が外に逃げない構造になっています。
ブラインドやカーテンがついています。夜の気温が急に下がる地域にお住まいになる場合は、窓を閉めるだけでなく、これらで窓を覆うこともしましょう。冷気が室内に伝わりにくくなります。
もちろん、定期的に換気をすることも忘れずに。空気の質が悪いことも、体調を崩す原因になります。
留学先では、自身の体の管理をきちんと行い、怪我・病気などが起こらないように対策することが重要です。
特に日本とは異なる気候の国に住まうのですから、室内の空気の状態に気を配って、窓の開け閉めで調節することをしましょう。
□

ヒーターがあります。写真に見える円柱形のつまみを回して温度調節をします。
このような型のヒーターは、建物全体に繋がっており、大元の何かを稼働しない限り、いくらつまみを回しても動かないことがあります。
もし寒いのに使用できないことがある場合には、学校に遠慮なく苦情を入れましょう。風邪をひいてはこまるので、我慢しないでください。
また使用する際、強度変更する際には、ルームメイトに一声かけてからにしましょう。
時折、濡れたものをヒーターの上に被せて乾燥させるルームメイトがいます。それに倣って、何か急遽乾かさなければならないものがある時には、このヒーターの力を借りましょう。
・
【バスルーム】

バスルームは上の写真のように、トイレ・バスタブなしのシャワー・洗面台、が一つの部屋に設置されています。
扉には鍵がついており、一人で使用する際に締め切ることが出来ます。
そのため、バスルームの使用こそ、ルームメイトとの協調性が必要とされるでしょう。
特に忙しい朝などにバスルームを使用する順番は、ルームメイトと決めておいた方がいいです。そうしてスムーズに身支度を済ませられるようにしましょう。
加えてもちろん、意味なく長居しないように。
□
トイレは、別に変わったところのない洋式トイレです。
使用後は綺麗にしてから、次の人に明け渡しましょう。
複数人で暮していると、トイレットペーパーは直ぐになくなります。万一にも切らさないように、大量に買っておきましょう。残量のチェックもこまめに。
ちなみにこのトイレットペーパー、単に門を拭くだけでなく、異国ではティッシュとしての役割も果たします。
というのは、海外では、日本ほどティッシュが安価ではないため、トイレットペーパーで鼻をかむようにしているのです。
(とはいえ表面が荒いものですので、皮膚の敏感な方などはティッシュを買った方がいいかもです)
そういう用途もあってなにかと便利なので、やはり沢山蓄えておくといいです。
□

洗面台はこんな感じ。
洗面器周りには、あまり物を広げないようにしましょう。次に使う人が窮屈です。
写真の場合だと、洗面器の下に収納スペースがあるので、一度使用したら物を散乱させておかず、きちんと毎回そうした場所に収納しましょう。
洗面台近くにはコンセントがあるので、そこでドライヤーを使用できます。
ちなみに、供給される電力が日本とは異なるので、ドライヤーは現地のものを購入するか、規格を変更できるドライヤーを持っていくようにしましょう。
また国によって、蛇口から出る水道水が飲める場所、安全に飲めない地域があります。
日本と同じ感覚で飲もうとせず、下調べして、安全性を確認してからにしてください。お腹痛くなっちゃいます。
□

シャワーです。
シャンプー・ボディソープはいつも現地に着いてから買うようにしています。
洗顔石鹸にかんしては、日本から持ってきたものを使用しています。
体を洗うナイロンタオルを日本で購入していくと、泡立ちやすく、高率よく体を洗えます。
ナイロンタオルなどの水の滴るものに関しては、上の写真にあるように、吸盤のついたフックを持って行って、シャワー内に吊り下げておくといいです。
風呂に入る時は、シャワーのカーテンすぐ外に、シャンプー・ボディソープとバスタオルを置いておくようにしています。
そうして、それぞれが必要な時には、水を止めて、カーテンの隙間から物を手に取るのです。
こうすることで、バスルーム内が水浸しにならないで済みます。
□

バスルーム内にも、上のようなヒーターがあります。
自分らは使用した後の濡れたバスタオルをかけ下げています。
これにより、次に使う時には乾燥したものを使用することが出来るわけです。
・

File2. 備考
これまで部屋の中身を紹介しながら、実際の生活の工夫を紹介してきました。
別国から来た生徒との生活は、習慣が異なりますので、所々で思うようにいかないこともあります。
例えば、流しに放置しっぱなしの洗い物であったり、自分の起床時間より早く目覚ましを鳴らして欲しくない生徒がいたり。
ですが基本的に皆、分別のある方々です。こちらが嫌だと主張することは極力起こらないよう努めてくれますし、我々に必要なものを先んじて買い足しておいてくれたりもします。
互いに妥協し合い、時には頼み込んだりなどして円満な寮生活を送る上では、
やはりコミュニケーションが欠かせません。
これは単に仲良くするという意味ではなく、
ルームメイトを不快にしない為にどう振る舞いべきか、生活の中で共同の作業にどれくらい自分が貢献しているか、次に行うべき補充・作業には何があるか、
などを理解することを言います。
暮らしの中で、我々はほとんど会話をしませんし、部屋に帰ったら皆おのおのの好きな事をしています。
そんな中、自分だけの生活でない、全体の状態に気を配り、
そのことについて気兼ねなく相談や提案をすることが、快適な寮生活には重要なのです。
今回のまとめ
・ベッドの位置は早い者勝ちなので、もし重要と考える方は、早めに現地入りしよう。
・部屋内の移動にはクロックスが便利。
・調理器具が据え置かれている場合でも、自分専用のものを持ち寄ろう。
・食洗器は、学校へ行く直前に回そう。
・ヒーターに濡れたものを被せて乾かすことが出来る。
・トイレットペーパーを大量に蓄えておこう。
・朝の目覚ましをかける時間や、バスルームを使用する順番など、全体に影響する物事はルームメイトと話し合って決めよう。
・設備の不備などは、学校にメールで申し出よう。
-
前の記事
バレエ留学|[寮制度]実際に経験した色々な寮制度の特徴 2019.09.23
-
次の記事
【バレエオーディション】現役留学生・就活生の海外のオーディション情報サイトまとめ 2019.10.05
コメントを書く